障害福祉の誤解ランキング

障害福祉の誤解ランキング

「障害福祉の仕事をしています」
そう話したとき、相手から返ってくる言葉。

「大変そうですね」
「優しい人じゃないとできないですよね」
「障害のある方のお世話をする仕事ですよね?」

…うん。間違ってはいない。
でもちょっとだけ違う。

障害福祉は、実際には介護だけではありません。
生活支援、相談、就労支援、外出支援など、さまざまなサービスがあります。
厚生労働省のサービス一覧を見ても、その幅広さが分かります。

そこで今回は、あえて「世間から見た障害福祉」を想像して、ランキングにしてみました。

第5位「ずっと優しく声をかけている仕事」
「大丈夫ですよ」
「一緒にやりましょう」
「できましたね!」
…たしかに、こういう場面はあります。

しかし、現実には、

「今はやめときましょう」
「それは危ないです」
「さっきも説明しましたよ」
なんていう場面も普通にあります。

福祉職員も人間です。仏様ではありません。
むしろ、一日中「優しいだけ」で仕事をするのは、なかなか難しいものです。

第4位「利用者さんと一緒に楽しく過ごす仕事」
これも、半分正解。

レクリエーションをしたり、会話をしたり、一緒に作業をしたり。
外から見ると、「楽しそうな仕事ですね」と言われることもあります。

でも、その「楽しい時間」を作るためには、職員側の準備があります。

だれが参加しやすいのか。
どこまでならできるのか。
苦手なことは何なのか。
今日は気分がどうなのか。
利用者さん同士の相性は大丈夫なのか。

つまり、「楽しく過ごしているように見える時間ほど、裏側では結構考えている」のです。

第3位「障害について、ものすごく詳しい人たち」
これもよくあるイメージかもしれません。

「福祉の人なら、障害のこと全部わかるんでしょ?」
…いえ。正直、全部はわかりません。

障害にはさまざまな種類があり、同じ診断名でも、その人によって特徴や必要な支援は異なります。

だからこそ、「この障害だからこうする」という単純な仕事ではありません。
むしろ、「この人はどうなんだろう?」と、その人自身を見ることが大切だったりします。

第2位「利用者さんのことなら、何でもわかる」
「今日、機嫌悪いですね」
「何かあったんですか?」
「職員さんなら理由わかりますよね?」
…これも、実は難しい。

職員だからといって、利用者さんの心の中が読めるわけではありません。

昨日まで笑っていた人が、今日は元気がない。
いつもできることを、今日はやりたくない。
逆に、普段あまり話さない人が、今日はよく話している。

そんな変化を見ながら、「何かあるのかな?」「少し様子を見たほうがいいかな?」と考えていく。

福祉は「答えを知っている仕事」というより、「答えを一緒に探していく仕事」なのかもしれません。

第1位「結局、めちゃくちゃ大変そう」
…これは、かなり正解です(笑)。

もちろん大変なことはあります。
予定通りにいかないこともあります。
利用者さん同士でトラブルになることもあります。
支援について職員同士で意見が分かれることもあります。

家族との関係、他機関との連携、記録、会議、書類…。
「人を支援する」という仕事なので、簡単ではありません。

でも、不思議なことに、大変だからこそ、

「今日はこの人、少し笑ってたな」
「昨日できなかったことが今日はできたな」
「自分からやってみようとしてくれたな」

という小さな変化が、ものすごく嬉しかったりします。

そして、番外編
「障害福祉=特別な世界」
もしかすると、これが一番大きなイメージなのかもしれません。
でも実際には、障害福祉が目指しているのは、障害のある人が地域の中で、その人らしく生活できることです。厚生労働省も、障害のある人が地域の一員としてともに生きる社会を目指しています。

そう考えると、障害福祉は「特別な人のための特別な世界」というより、誰かの生活を、少し支える仕事なのかもしれません。

世間から見ると、

「大変そう」
「優しそう」
「専門的そう」
「利用者さんと楽しそう」
いろいろなイメージがあると思います。

でも、実際に中に入ってみると、

笑ったり、
悩んだり、
失敗したり、
考え直したり、

意外と普通の人間が、普通に悩みながらやっている仕事です。
だからこそ、障害福祉をもっと身近に感じてもらえたらいい。

「障害福祉って、なんか難しそう」ではなく、「そういう仕事もあるんだな」くらいから知ってもらえたら。
そこから少しずつ、障害のある人も、ない人も、「同じ地域で暮らしている人なんだ」という感覚につながっていくのではないでしょうか。