障害福祉の現場で、近年ますます大きな課題になっているのが「利用者さんの高齢化」です。
長く施設を利用されている方の中には、気がつけば50代、60代、それ以上になっている方もいます。以前は元気にできていた作業が少しずつ難しくなったり、歩くスピードがゆっくりになったり、疲れやすくなったり。
これは決して特別なことではありません。
私たちと同じように、利用者さんも年齢を重ねていきます。
「できない」が増えたのではなく、「変化している」
高齢化によって見られる変化は、身体面だけとは限りません。
例えば、
・作業のスピードが以前より遅くなる
・長時間の作業がしんどくなる
・足腰が弱くなり、転倒の危険が高くなる
・新しいことへの対応が難しくなる
・生活習慣や健康面への支援がより必要になる
・今まで以上に「いつもの環境」を求めるようになる
といったことがあります。
ここで大切なのは、単純に「できなくなった」と考えないことです。
年齢や体調に合わせて、その人に必要な支援が変わってきたと考える必要があります。
「就労」だけでは支えきれないことも
就労継続支援B型では、「働く」「作業する」という部分が大切です。
しかし、高齢になっても若い頃と同じ作業量やスピードを求め続けることが、本当にその人にとって良い支援なのでしょうか。
作業量を少なくする。
休憩を増やす。
座ってできる作業に変更する。
作業だけでなく、人との交流や日中活動そのものに意味を見いだす。
これからは「どれだけ働けるか」だけではなく、「その人が安心して一日を過ごせるか」という視点も、より重要になってくると思います。
ご家族も一緒に高齢になっていく
そして、もう一つ忘れてはいけないのがご家族の高齢化です。
これまで送迎や食事、金銭管理、通院などを支えてきたご家族自身も年齢を重ねます。
「今は家族がやってくれているから大丈夫」
それが、5年後、10年後も同じとは限りません。
だからこそ、困ってから考えるのではなく、元気なうちから少しずつ将来について話し合っておくことが大切です。
住まいはどうするのか。
日常生活の支援は誰が担うのか。
通院やお金の管理はどうするのか。
施設への通所が難しくなった場合はどうするのか。
こうしたことを、ご本人・ご家族・施設・相談支援などが一緒になって考えていく必要があります。
「ずっと同じ支援」ではなく「一緒に変わる支援」
長く利用してくださっている方ほど、職員側にも「この人はこういう」というイメージができてしまうことがあります。
しかし、人は変化しています。
10年前に合っていた支援が、今も一番良い支援とは限りません。
利用者さんが年齢を重ねるなら、支援も一緒に年齢を重ねていく。
そんな考え方が必要なのではないでしょうか。
「できなくなったから終わり」ではなく、
「今のあなたに合った方法を、もう一度一緒に考えよう」
そう言える場所でありたいと思います。
高齢化は、これから障害福祉の現場でますます大きな課題になるでしょう。
だからこそ私たちも、目の前の一日だけを見るのではなく、その人の5年後、10年後の暮らしまで考えながら支援していくこと。
それが、これからの障害福祉に求められている大切な役割なのかもしれません。

