障害のある人が持つ「特殊能力」ランキング

障害のある人が持つ「特殊能力」ランキング

障害福祉の仕事をしていると、ときどき思うことがあります。

「えっ、そこに気づくの?」
「なんでそんなに覚えているの?」
「そこまでこだわるの、逆にすごい…!」

障害のある方と関わっていると、一般的には「苦手」と捉えられやすい特性が、場面を変えるとものすごい強みになっていることがあります。

もちろん、障害があるから全員に同じ能力があるわけではありません。
特性の現れ方には大きな個人差があります。

厚生労働省なども、支援では「できないこと」だけを見るのではなく、その人が持っている特性・技能・才能・関心などの「強み」に目を向けるストレングスの視点を重視しています。

そこで今回は、福祉現場で見つけることがある「特殊能力」を、あえてランキング形式で紹介してみます。

第一位 記憶力が以上にいい
「それ、いつの話?」と思うような昔の出来事を覚えている。
職員のちょっとした発言を覚えている。
一度見ただけのものを覚えている。

そんな方がいます。

特に、本人が興味を持っている分野になると、驚くほどの記憶力を発揮することがあります。職員が忘れていた予定を利用者さんが覚えていた…なんてことも。

「覚えることが苦手」と一括りにするのではなく、何に対して記憶力を発揮するのか?
そこを見ることが大切なのかもしれません。

第二位 こだわり力がものすごい
「そこまで気になる!?」というくらい、細かい部分にこだわる。
でも、その「こだわり」が仕事では大きな武器になることがあります。

例えば、

・商品の向きを全部そろえる
・決められた手順を守る
・同じ作業を何度でも繰り返せる
・小さな違いに気づく

など。

一般的には「こだわりが強い」と言われる部分も、作業内容によっては正確性や品質を守る力になります。

「こだわりをなくそう」ではなく、「このこだわり、どこで活かせる?」と考えてみる。それだけで見え方が変わります。

第三位 好きなことへの集中力がすごい
興味のないことには、なかなか集中できない。
ところが、好きなことになると突然スイッチが入る。気づけば何時間もやっている。

これは、支援者からすると「すごい集中力だな」と感じる瞬間です。

大切なのは、「集中できない人」ではなく「集中できる条件が違う人」なのかもしれないという視点。環境や仕事内容が本人の興味・特性と合えば、その力が大きく発揮されることがあります。

第四位 変化への気づきが早い
「今日、職員さん髪切った?」
「いつもと机の位置が違う」
「この商品、昨日と違う」

そんな小さな変化にすぐ気づく方もいます。

本人にとっては当たり前でも、周囲からすると、「そこ見てたの!?」となることがあります。

細かい違いを見つける力は、検品や整理などの作業で活かせる可能性があります。

第五位 正直すぎる
「それ、似合ってない」
「今日ちょっと機嫌悪い?」
「この作業、やりたくない」

…。
普通なら、もう少しオブラートに包むところを、ストレートに言う。

支援者としては、「そこまで言わなくてもいいんだけどな…」と思うこともあります。
しかし、裏を返せば、思っていることが分かりやすい。という大きな特徴でもあります。

もちろん、相手を傷つけない伝え方を一緒に考えることは大切。
でも、「正直」という部分そのものまで否定する必要はありません。

第六位 ルーティンへの強さ
毎日同じ時間に来る。
同じ場所に座る。
同じ手順で作業する。
同じ順番で準備する。

「毎日同じって飽きないの?」と思ってしまいますが、本人にとっては、それが安心につながっている場合があります。そして、その安定感は仕事において大きな強みになることも。

「変化に弱い」という部分だけを見るのではなく、「決められたことを安定して続けられる」という側面にも注目したいところです。

第七位 独自の発想力
「その考え方はなかった!」という発想を突然出してくる。
普通なら「こうするもの」と考えるところ、全然違う方法で解決しようとする。

もちろん、毎回うまくいくわけではありません。
でも、固定概念にとらわれない発想は、ときに大きな武器になります。

支援者が「正しい方法」を教えるだけではなく、「どうしてそう思ったの?」と聞いてみる。そこから、その人ならではのアイデアが見つかることがあります。

まとめ
障害福祉では、どうしても、
「できないこと」「苦手なこと」「支援が必要なこと」に目が向きやすくなります。

でも、視点を少し変えると、「それ、実はめちゃくちゃ強みじゃない?」という部分が見えてくることがあります。

記憶力。こだわり。集中力。観察力。正直さ。断続力。発想力。
これらは、本人の特性と環境がうまく噛み合えば、大きな「力」になります。

大切なのは、「障害があるから特殊能力がある」と決めつけることでありません。
その人を一人の人として見たときに、「この人は何が得意なんだろう?」と探してみること。

福祉の仕事は、「できないことをできるようにする」だけではありません。
もしかしると、すでに持っている力を見つけて、それが活きる場所を一緒に探すこと。

それも支援の大切な仕事なのかもしれません。