街を歩いていると、車いすの人や白杖を持って歩く人、何か大きな声で話している人、周りとは少し違う行動をしている人を見かけることがあります。
そのとき、あなたは何を思いますか?
「困っているのかな?」
「手伝ったほうがいいのかな?」
「どう接したらいいんだろう…。」
そんなふうに戸惑った経験がある人は、きっと少なくないと思います。
実は、その”どうしたらいいかわからない“という気持ちは、とても自然なことです。
例えば、駅で車いすの人がエレベーターを探しているように見えたとします。
「お手伝いしましょうか?」
その一言だけで十分なこともあります。
もし「大丈夫です」と言われたら、「わかりました」と笑顔で離れればいい。
無理に手伝う必要もありません。
逆に、「お願いします」と言われたら、その人がしてほしいことだけを手伝えばいいのです。
障害があるからといって、何でも助けてもらいたいわけではありません。
できることは自分でやりたい。でも、必要なときだけ少し力を貸してほしい。
そう思っている人はたくさんいます。
また、発達障害や知的障害、精神障害のある人の場合、見た目では障害がわからないこともあります。
スーパーで急に大きな声を出してしまう。
電車で落ち着きなく動き回ってしまう。
コンビニで何度も同じことを店員さんに聞いてしまう。
そんな場面に出会うと、周囲は驚いてしまうかもしれません。
でも、その人は好きでそうしているわけではありません。
不安だったり、混乱していたり、感覚が過敏だったり…。
本人なりに一生懸命、その場を過ごしていることも少なくありません。
では、もしあなたがその場にいたらどうすればいいのでしょうか。
特別な知識はいりません。まずは慌てないこと。そして、必要以上に見続けないこと。
困っている様子なら、「何かお困りですか?」と一言声をかけてみる。それだけでも十分です。
何もできなかったとしても、「何もしなかった自分は冷たい人間だ」と思う必要はありません。
大切なのは、
「どうしていいかわからないから避ける」のではなく、
「相手を一人の人として見る」という姿勢です。
そして、その場面はあなたにとって数分の出来事でも、障害のある人にとっては毎日の出来事です。
じろじろ見られること。
避けられること。
子どもに指をさされること。
心ない言葉をかけられること。
逆に、何も言わずドアを押さえてくれる人。
落とした物を拾ってくれる人。
自然に「どうぞ」と道を譲ってくれる人。
そんな何気ない優しさも、毎日の中で何度も経験しています。
だからこそ、障害のある人が忘れられないのは、大きな親切ではありません。
“普通に接してくれた人”なのです。
福祉に仕事をしていると、「どう接したらいいかわからない」という声を本当によく耳にします。
でも、その答えは意外とシンプルです。
特別扱いしない。
困っていたら聞いてみる。
必要なことだけ手伝う。
そして、一人の人として接する。それだけで十分です。
街中で障害のある人を見かけたとき、その数分の出会いは、相手にとって忘れられない出来事になるかもしれません。優しい言葉だったかもしれない。何気ない笑顔だったかもしれない。
あるいは、普通に接してくれたことだったかもしれません。障害を知ることは難しいことではありません。
まずは、「目の前にいる一人の人」として見ること。そこから、本当の理解は始まるのだと思います。

