「障害」と聞くと、どんなイメージを思い浮かべますか。
「できないことが多い」「支援が必要」「大変そう」。
そんな印象を持つ人も少なくないでしょう。
もちろん、障害があることで日常生活に困難を感じる場面はあります。
しかし、障害のある方と日々関わっていると、それだけでは語れない一面が見えてきます。
それは、一人ひとりが持つ個性や感性、そして思わず笑顔になってしまうような魅力です。
今回は、福祉の現場だからこそ感じる「障害ごとの素敵な一面」を紹介したいと思います。※ここで紹介する内容は、すべての方に当てはまるものではありません。同じ障害でも性格や特徴は一人ひとり異なります。あくまで、現場で多くの方と関わる中で感じた一例として読んでいただければ幸いです。
【自閉症スペクトラム(ASD)】~「好き」が、とことん深い~
ASDの方と接していると、一番驚かされるのは「好きなことへの探究心」です。
電車、恐竜、昆虫、歴史、天気、数字、地図、ゲーム…。
一度興味を持つと、その知識量は驚くほど豊富になります。
「なんでそんな事知ってるの⁉」と思わず聞き返したくなるような話をしてくれることも少なくありません。
また、細かい変化によく気付く方もいます。
「昨日と机の位置が違う。」「このポスター、新しくなったね。」周りが気付かないような変化に、真っ先に気付くこともあります。
決められたルールや手順を大切にする方も多く、同じ作業を丁寧に続ける力は、本当に頼もしいと感じます。
【ADHD】~発想力は、まるでアイデア工場~
ADHDというと、「落ち着きがない」というイメージだけを持たれがちです。
しかし実際には、とても自由な発想を持っている方が多くいます。
「そんな考え方があったのか。」と驚くようなアイデアを突然話してくれたり、周りが思いつかない方法を見つけたり。
行動力もあるため、「まずやってみよう」という前向きさに助けられる場面もあります。
また、人懐っこい方も多く、その場を明るくしてくれるムードメーカーになることも。
一緒にいると自然と笑顔になれる、そんな魅力を持っている方も少なくありません。
【知的障害】~感情表現が、とてもまっすぐ~
知的障害のある方は、嬉しいことや楽しいことを素直に表現してくれる方が多い印象があります。
「ありがとう!」「また来てね!」そんな何気ない一言でも、心から伝えてくれるのが伝わってきます。
こちらが少し元気のない日でも、「大丈夫?」と優しく声を掛けてくれることがあります。
その純粋さに、逆に支援する側が励まされることも少なくありません。
笑顔は伝染する、と言いますが、その言葉を実感させてくれる存在です。
【ダウン症】~周りの空気を柔らかくする力~
ダウン症のある方は、とても穏やかな雰囲気を持っている方が多くいます。
もちろん全員ではありませんが、笑顔が自然で、その場の空気を和ませてくれるような存在です。
初めて会った人にも自然と話しかけたり、困っている人を見ると手を差し伸べたり。
「優しさ」は言葉だけでなく、行動にも表れることがあります。
その姿を見て、「優しくするって、こういうことなんだな」と教えられることもあります。
【身体障害】~「できない」ではなく、「どうすればできるか」を考える達人~
身体障害のある方は、生活の中で多くの工夫を重ねています。
道具を工夫したり、自分なりの方法を見つけたり。
私たちなら諦めてしまいそうなことでも、「こうすればできるよ。」と自然に教えてくださることがあります。
長年積み重ねてきた経験から生まれる知恵は、本当に勉強になります。
【精神障害】~人の心に気付ける優しさ~
精神障害のある方は、繊細な感性を持っている方も多くいます。
だからこそ、人の気持ちの変化にも敏感です。
「今日は疲れてる?」「何かあった?」そんな何気ない一言に救われることがあります。
自分自身が苦しい経験をしてきたからこそ、人の痛みに寄り添える。それは、とても大きな魅力だと感じます。
【最後に…】
福祉の現場で働いていると、「障害」よりも「その人らしさ」が見えてきます。
障害名だけでは、その人は語れません。
おしゃべりが好きな人もいれば、静かに過ごすのが好きな人。
絵が得意な人もいれば、掃除が得意な人。
音楽が好きな人もいれば、数学に強い人もいます。
一人ひとり違うからこそ、一緒に過ごす毎日は新しい発見の連続です。
世の中では「障害=大変」というイメージばかりが取り上げられがちですが、実際に関わると、思わず笑ってしまう場面や、「すごいな」と尊敬する瞬間、心が温かくなる出来事がたくさんあります。
私たち見るべきなのは、障害という名前ではありません。
その人が何に笑い、何が好きで、どんな魅力を持っているのか。
そこに目を向けることができたとき、「障害」という言葉の印象は、きっと少し変わるはずです。違いを知ることは、壁を作ることではありません。
違いを知ることは、一人ひとりの魅力に出会うこと。そんな視点が、もっと社会に広がっていけばいいなと思います。

