皆さんは「障害」という言葉から具体的にどのようなものをイメージするでしょうか。
車いすを利用している人、白杖を持って歩いている人、手話を使っている人を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし実際には、障害には様々な種類があり、外見からは分からないものも数多く存在します。
今回は、「障害にはどんな障害があるのか」をテーマに、それぞれの特徴や私たちが知っておきたいことについて紹介していきたいと思います。
障害は大きく分けると、
・身体障害
・知的障害
・精神障害
・発達障害
などがあります。
もちろん、人によって症状や特性は異なり、同じ障害名であっても困りごとは一人ひとり違います。
まずはそれぞれについて見ていきましょう。
●身体障害
身体障害とは、身体の機能に何らかの障害があり、日常生活に支援や配慮が必要な状態を指します。
例えば、
・手足が不自由である
・視覚に障害がある
・聴覚に障害がある
・内部機能に障害がある
などが含まれます。
「肢体不自由」
事故や病気、生まれつきの理由などによって、手や足、体幹などに障害がある状態です。
車いすを利用する方や、杖を使用する方、義足や義手を利用する方もいます。
私たちは「歩けない」に目を向きがちですが、本当の困りごとは移動だけではありません。
・段差が多い
・エレベーターがない
・ドアが重い
・トイレが狭い
など、社会の環境によって困難が生まれることも少なくありません。
「視覚障害」
視覚障害は、全く見えない人だけではありません。
・視野が狭い
・明るさによって見えにくい
・一部しか見えない
といった方もいます。
その為、「見えているように見えるのに困っている」というケースもあります。
点字ブロックや音声案内などは、視覚障害のある方の大切な支援となっています。
「聴覚障害」
聴覚障害も、全く聞こえない方だけではありません。
・補聴器を使用している
・高い音だけ聞こえない
・会話は出来るが雑音の中では聞き取れない
などが、状態は様々です。
聞こえないことで情報が入りにくくなり、災害時や緊急時に困ることもあります。
また、コミュニケーション方法として、
・手話
・筆談
・文字起こしアプリ
などが活用されています。
「内部障害」
実は障害の中には、外見からは全く分からないものもあります。
例えば、
・心臓機能障害
・腎臓機能障害
・呼吸器機能障害
・人工透析
・人工肛門(ストーマ)
などがあります。
一見すると健康そうに見えるため、周囲から理解されにくいこともあります。
しかし、体力面や健康面で大きな負担を抱えながら生活している方も少なくありません。
●知的障害
知的障害とは、知的機能や適応能力に制限があり、日常生活に支援が必要な状態をいいます。
例えば、
・複雑な説明が理解しづらい
・お金の管理が難しい
・時間の管理が苦手
・新しい環境への適応が難しい
といった特徴があります。
しかし一方で、
・絵が得意
・作業が丁寧
・人を思いやる力が強い
など、その人ならではの得意なことや魅力もたくさんあります。
●精神障害
精神障害は心の病気や精神機能の不調によって、生活に困難が生じる状態です。
代表的なものとして、
・うつ病
・統合失調症
・双極性障害
・不安障害
・パニック障害
などがあります。
精神障害の特徴として、外見から分かりにくいという点があります。
その為、「元気そうに見えるのに」「気持ちの問題では?」と誤解されることもあります。
しかし本人は、
・強い不安
・幻覚や幻聴
・気力の低下
・極度の疲労感
などに苦しんでいることがあります。
精神障害は決して特別なものではなく、誰もが人生の中で経験する可能性があります。
●発達障害
近年よく耳にするようになったのが発達障害です。
発達障害は生まれつきの脳機能の特性によるもので、育て方や本人の努力不足が原因ではありません。
「自閉スペクトラム症」
特徴として、
・コミュニケーションが苦手
・こだわりが強い
・予定変更が苦手
・感覚が敏感
などがあります。
一方で、
・記憶力が高い
・集中力がある
・専門分野に強い
といった長所を持つ方も多くいます。
「注意欠如・多動症(ADHD)」
特徴として、
・忘れ物が多い
・集中力が続かない
・衝動的に行動する
などがあります。
しかし、
・発想力が豊か
・行動力がある
・アイデアが豊富
という強みを持つ方もいます。
「学習障害(LD)」
知的な遅れはないものの、
・読む
・書く
・計算する
といった特定の分野に困難がある状態です。
努力不足と誤解されることもありますが、脳の情報処理の特性によるものです。
障害というと、どうしても目に見えるものを想像しがちです。
しかし実際には、
・発達障害
・精神障害
・内部障害
・高次脳機能障害
など、外見からは分からない障害も数多くあります。その為、「困っているように見えない」「普通に出来そう」という思い込みが、本人を苦しめてしまうことがあります。
私たちにできることは、見た目だけで判断しないことかもしれません。
大切なのは、「障害名を知ること」だけではありません。同じ障害名でも、得意なこと、苦手なこと、必要な支援は一人ひとり違います。
障害はその人の全てではなく、その人を形作る一つの特徴に過ぎません。
私たちは時に、「障害者」という大きなくくりで見てしまいがちですが、本当はそれぞれが違う人生を歩み、違う個性を持った一人の人間です。
◎まとめ
障害には、身体障害・知的障害・精神障害・発達障害など、様々な種類があります。また、目に見える障害だけでなく、外見からは分からない障害も多く存在しています。
障害について知ることは、特別な知識を身につけることではありません。
「人にはそれぞれ違いがある」という当たり前のことを理解する第一歩でもあります。
誰もが得意なことと苦手なことを持っています。そして、支え合いながら生活しているという点では皆同じです。
障害について知ることは、誰かの為だけではなく、自分自身や家族、友人、そして地域社会をより豊かにしていく為にも大切なことなのではないかと思います。

