「自分らしく生きよう」「自分らしく働こう」
最近ではよく耳にする言葉ですが、改めて考えてみると、「自分らしさ」とは一体何なのでしょうか。
私たちは日々、多くの人と関わりながら生活しています。家族や友人、職場の仲間、地域の方々など、それぞれの立場や役割の中で過ごしています。その中で、時には周りに合わせることが必要になったり、人と比べてしまったり、自分の気持ちを後回しにしてしまうこともあります。
そんな日々を過ごしていると、ふと「本当の自分って何だろう」と考えることがあるかもしれません。
自分らしくあるということは、自分自身を理解し、受け入れることではないでしょうか。
得意なこともあれば苦手なこともある。出来ることもあれば出来ないこともある。明るい日もあれば落ち込む日もある。
そんな自分を否定するのではなく、「これが今の自分なんだ」と認めることが、自分らしさへの第一歩なのだと思います。
障害福祉の現場で働いていると、一人ひとりの利用者さんが持つ個性や魅力に日々気付かされます。
作業が得意な方もいれば、人と話すことが得意な方もいます。細かな作業に集中できる方もいれば、周囲への気配りが自然にできる方もいます。
一見すると当たり前のことのようですが、その「その人らしさ」こそが大切な価値なのだと思います。
しかし時には、自分の苦手な部分ばかりに目が向いてしまうことがあります。
「あの人みたいに出来ない」
「もっと上手くやらなければならない」
「迷惑をかけてしまっている」
そう考えてしまうことは誰にでもあります。
ですが、人は誰かと同じになるために生きているわけではありません。誰もが違う経験を積み、違う環境で育ち、違う価値観を持っています。だからこそ、一人ひとり違うことが当たり前なのです。
私たちの施設でも、「できないこと」に目を向けるのではなく、「できること」や「得意なこと」を大切にしたいと考えています。
もちろん苦手なことへの挑戦も大切です。しかし、それ以上に大切なのは、自分の良さに気付き、自信を持つことではないでしょうか。
自信とは、何か大きな成功をしたから生まれるものではありません。
毎日決まった時間に通所出来た、挨拶が出来た、作業を最後までやり遂げた、誰かに優しい言葉をかけることが出来た
そんな小さな積み重ねの中に、自分らしさや自信は育っていくものだと思います。
また、自分らしさは一人で見つけるものではないのかもしれません。
周りの人から言葉の関わりの中で、自分では気付かなかった長所に気付くことがあります。
「あなたの笑顔に元気をもらったよ」
「いつも丁寧に作業してくれてありがとう」
「あなたがいてくれて助かるよ」
そんな何気ない言葉が、自分自身を見つめ直すきっかけになることもあります。
だからこそ、人との繋がりは大切です。
誰かを認めることは、その人の自分らしさを応援することに繋がります。そして、誰かを認めることの出来る人は、自分自身のことも少しずつ認められるようになるのではないでしょうか。
自分らしさは、完成されたものではありません。
年齢を重ねるごとに変化することもありますし、新しい経験によって新たな自分を発見することもあります。だから、「自分らしさを見つけなければならない」と焦る必要はありません。
今好きなこと、今頑張っていること、今大切にしていること
その一つひとつが、今の自分らしさなのだと思います。
私たちはつい、人と比べてしまいます。しかし本当に比べるべき相手は、昨日までの自分かもしれません。
昨日より少し前向きになれた、昨日より少し優しくなれた、昨日より少し成長出来た
その積み重ねこそが、自分らしい人生を歩む力になっていくのだと思います。
これからも私たちは、一人ひとりの「自分らしさ」を大切にしながら、それぞれの歩幅で前へ進んでいきたいと思います。
誰かと同じでなくてもいい、完璧でなくてもいい
ありのままの自分を認め、自分の良さを大切にすること。それこそが、「自分らしくある」ということなのではないでしょうか。

