利用者さん達は数ある作業の中でも得意とするものと不得意とするものがあります。勿論私達職員にもあります。その中でも今回は利用者Eさんにフォーカスを当てたいと思います。
Eさんは作業にとても熱心で毎日数多くの作業量を熟します。そんな中Eさんから突然、「毎日同じ作業に少し疲れてきた。ちょっと違う作業に携わってみたい。」との要望があり、Eさんと相談した結果、小型家電の解体作業の一員として頑張っていく事になりました。
解体の作業は力作業が必要な時もあれば繊細さを求められる事もあります。Eさんは力には自信がありますが繊細さという部分にはかなり苦労されていました。元々片付けや身だしなみといった、整然さをもとめられる場面が不得意であり、又苦手意識も強いEさん。解体での繊細さを求められる時にも投げ出してしまう事が多々ありました。しかし解体作業の一員として加わりたいと志願したのは自分自身。解体作業に携わってしばらくは苦労されてました。
具体的にどのような繊細さが必要とされるかというと、
・小さなネジ山を潰さないように回す
・鉄やアルミ、又はプラスチックの仕分け
・工具等の整理整頓
のような、必然的に手間や時間が掛ってしまう事が挙げられます。
「もう解体やりたくない。」「思った以上に面倒臭い。」と弱音を吐き続ける日々も珍しくはありませんでした。
しかしそこで救世主となったのが同じ解体班の利用者さん達!「Eさん!一緒にやろ!!」「一緒に手伝うよ~!」と優しい声掛けが飛び交っていました。その声掛けがEさんの解体に対する想いを絶やす事なく前向きな気持ちへと繋げてくれました。そこからEさんは周りの支援を受けながら徐々に成長していき、不得意であった繊細さを求められる場面でも積極的に取り組めるようになりました。
現在も苦手意識は少しあるようですが、「これを出来るようになったら自信に繋がる!」と目標に掲げ、日々一生懸命取り組まれています。そんな姿を見ていると、私達職員も現実から逃げずに立ち向かうEさんを誇りに思い、又目標にしたいと思います。