「仕事」とは、生計を立てる為の手段(職業・業務)であり、自分のスキルや時間を提供して価値を生み出し、報酬を得る活動です。単なるお金稼ぎだけではなく、社会貢献、自己成長、生きがいと意味合いも持ち、目的や捉え方は人それぞれですが、多くの場合、価値のあるアウトプットを出し、責任を果たす事が本質とされています。利用者さん達の中でも働く理由は様々です。「貯金がしたい」「欲しい物を買いたい」「仕事をしている自分が好き」のように、目的も違えば内容も違います。今回はそんな利用者さん達の中でも人一倍仕事熱心なSさんの「仕事に対する向き合い方」をご紹介したいと思います。
Sさんは“ド”が付く程真面目な性格で、曲がった事が嫌い、自分に厳しく、時には周りの人にも厳しくなってしまう時もあります。そんなSさんに以前「仕事とは何なのか?」を聞いた事があります。「私にとって仕事は熟(こな)した分だけ自信がついて活力になる。だからもっともっと仕事がしたい!」と教えてくれました。素晴らしい心意気ですね。しかしその思いが熱いが故に周りに伝わらない時もあります。日々の作業の中には業務に追われずゆっくり過ごせるタイミングもあります。しかしそんな中でもSさんは「もっとやらなければ!もっともっと仕事を熟してみんなの分までやらなければ!!」という思いが強い為、その焦りからミスが目立ったりする事もしばしば。
ある日Sさんに「仕事は何の為に頑張っているの?」と問うと返事はすぐには返ってきませんでした。きっとSさんは“頑張っている姿を認めてほしい”という思いが強いのだと感じました。そんな思いは多くの人にもあるのではないでしょうか。「誰よりも仕事を頑張っているSさんの事はみんな知っているよ。ただみんなはSさんが頑張り過ぎて疲れてしまわないかが心配だよ。」と伝えると、少しうなだれた表情を見せました。何の為に頑張っているのか、それは人それぞれであり、その目的すらわからないまま過ごしている方もいると思います。誰かの為に、又承認欲求の為に、それらも大事ではありますが、“自分を大切に”が何よりも優先されるのではないでしょうか。仕事を頑張る為にはまず自身の管理が必要不可欠です。どれだけ仕事を熟したとしても周りが困惑する状況を作ってしまっては本末転倒です。つまり頑張り過ぎは禁物だという事です。
ここ最近のSさんの様子は、沢山作業を熟すよりも、一つずつを丁寧に、そして仕事とは周りと協力し合いながらやるものだという事を少しずつ噛みしめて取り組まれています。この調子で自身を大切にしながら日々過ごして欲しいなと思っています。

