今回はブログタイトルにありますように、障害者の「こだわり」と「理解力」をテーマにお話ししたいと思います。
まず「こだわり」は、多くの場合は、発達障害(自閉症スペクトラム等)や知的障害のある方に見られる特定の物事への強い関心や習慣、ルールへのこだわりを指す事があります。一方、「理解力」とはそのこだわりを周囲が理解したり、本人が状況に応じて調整する力、とも言えます。
Ⅰ.障害の種類によるこだわりの特徴
①自閉症スペクトラム
・ルーティン(決まった手順)を好む
・特定の物やテーマに強い興味
・変化や予期せぬ出来事に対して強い不安や抵抗
②知的障害
・物事の順序や習慣に固執することがある
・新しい事への理解や柔軟性に個人差が大きい
Ⅱ.周囲が理解する為のポイント
①観察力:どんな場面でこだわりが出るか、何が安心材料かを見る
②共感的理解:ただ「頑固だ」と片付けず、こだわりの背景を考える
③コミュニケーション:本人の言葉や行動から意図を読み取る
Ⅲ.本人の「理解力」と調整力
・こだわりが強い方でも、本人がそのこだわりの意味や状況に応じた調整を理解出来る事はある
・支援の工夫で徐々に柔軟性を育む事が可能
(例):こだわりを満たしつつ、少しずつ変化に慣れるステップを作る
・重要なのは「理解力=すぐに変化に対応出来る力」ではなく、「自分のこだわりと周囲の状況を認識し、調整出来る力」
Ⅳ.支援者の役割
・本人のこだわりを尊重しつつ」、安全や生活上必要な柔軟性を少しずつ促す
・無理に押さえつけず、段階的に理解と適応を支援する
・こだわりを活かした活動(趣味や仕事)に結びつけると、モチベーション向上にも繋がる
要するに、障害のある方のこだわりを理解する力には、観察・共感・支援の工夫によって支えられます。また本人の調整力も、支援環境や段階的な経験次第で伸ばす事が出来ます。
次に具体的な事例ごとに「こだわりと特徴」と「理解・支援の工夫」を整理してみます。
事例Ⅰ.服装や身だしなみ
(こだわりの特徴)同じ服しか着ない
(周囲の理解ポイント)快適さや安心感の為のである事を理解する
(支援の工夫)気に入る服の選択肢を増やし、徐々に新しい服に慣れさせる
事例Ⅱ.趣味・遊び
(こだわりの特徴)特定のテーマに強い興味
(周囲の理解ポイント)興味が集中力や安心感に繋がる事を理解する
(支援の工夫)趣味を活かしたり学習や作業に取り入れる、話題に共感する
事例Ⅲ.ルーティン・日課
(こだわりの特徴)決まった時間や順序にこだわる
(周囲の理解ポイント)ルーティンが生活の安全に繋がっている事を理解する
(支援の工夫)日課の中に小さな変化を少しずつ入れ、変化への耐性をつける
事例Ⅳ.コミュニケーション
(こだわりの特徴)一方的に話す、決まった言い回しにこだわる
(周囲の理解ポイント)言葉の意味より、気持ちや安心材料を理解する
(支援の工夫)「同じ話題を少しずつ広げる」「言葉以外の方法も活用」して交流する
≪補足ポイント≫
①こだわりを否定しない
→不安やストレスの原因になるので、まずは尊重する事が重要です。
②段階的に柔軟性を育てる
→突然の変更は混乱の原因。小さな変化から慣れる練習をします。
③本人の得意・興味を活かす
→こだわりは集中力やモチベーションに変えられる資源です。
💡まとめると
障害者のこだわりは「本人の安心や集中の源」であり、周囲が理解し尊重する事で、本人の生活の安定・適応力・自己肯定感を支える事が出来ます。理解力とは「単に変化に対応する力」ではなく、「自分のこだわりと状況を認識して調整する力」と考えるのがポイントです。
今回はこのへんで終わりたいと思います。また皆様に共有出来る情報等をブログにて公開したいと思います(^^)
また更新しますね★☆