Dさんはとても活発的でいつでも笑顔を絶やさない、作業所にとって欠かせない存在であります。そんなDさんですが、自身の心のエンジンを掛け過ぎて精神的に疲れ果ててしまう事があります。今回はDさんを通じて学ぶ「心を休ませる大切さ」について投稿しようと思います。
私達は日常の中で喜怒哀楽を感じ取る場面が多々あります。いろんな感情を持ち合わせながら日々を送る事はとても人間らしい行動でもあります。しかし中には感情のままに動き過ぎてしまい、心の休息が上手く出来ない人もいます。
Dさんはまさにそのタイプ。例えば作業の時間に周りの人達と面白い会話で盛り上がっていたとします。笑顔に溢れ和気あいあいとしている雰囲気はとても素敵な光景です。しかしあくまでも作業の時間であり、作業自体が疎かになってしまう事はあってはなりません。気持ちの切り替えが必要とされる場面でいつでも楽しい事や面白い事が優先されるわけではありません。
そのような時、Dさんは感情を抑える事が難しく興奮状態が続いてしまいます。例え周りの人達が落ち着きを取り戻していたとしても自身の感情はハイのまま。職員や周りの利用者さん達も「落ち着こうね。」と声掛けしますが、なかなかDさんには届きません。ある程度時間が経てば落ち着きを取り戻しますが、その時には既に疲れ果ててしまい作業が出来る状況ではなくなっている事も度々。
笑ってはいけない、決してそんな事はありません。しかしその笑顔が時に自分自身を苦しめている事もあります。そんな時、私達職員が必要とされる支援は非常に繊細さを求められる事となります。どんな言葉の掛け方が適切なのか、又どの程度の感情を優先すべきなのか、正直模索する日々であります。しかし心掛けている事は一つあります。それは「無理をせず自身を労わる。」という事。
❝過ぎたるは及ばざるが如し❞ということわざがあるように、何事にも程々が肝心で、やり過ぎる事はやり足りない事と同じように良い事とは言えず、良いと言われる事でも、やり過ぎは害になってしまうものです。人の感情も同じ事で感情のまま身を任せ過ぎてしまうと自身を傷つける事に繋げてしまう可能性もあります。Dさんにも自身を大切にしてもらう為には、まず周りの人達から何事にも適度な行動を示す事が大事です。そうする事で自然と環境的に余裕が生まれトラブルも減るものと思います。又Dさんだけでなく、全体としても「今は何を大切にするべきか?」という考える力も自然と身に着くものだと感じます。