障がい者虐待防止に向けて

障がい者虐待防止に向けて

先日当法人の職員一同で外部主催による“障がい者虐待防止”についての研修会に参加させていただきました。このような研修は当法人内で定期的に開催している事は勿論、外部の研修会にも何度も参加してきました。今回は参加した事によって感じた事や学んだ事、又今後改善していくべき等をこのブログに更新し、皆様にも共有させていただきたいと思います。

まず初めに、いくつかの虐待事例の紹介がありました。内容としまして、心が痛むような事例や虐待と判断するのに難しい事例等と様々でした。そもそも虐待はなぜ起こってしまうのか、そのような事を考えると様々な事が考えられます。

➀教育・知識・介護技術等に関する問題
➁職員のストレスや感情のコントロールの問題
➂倫理観や理念の欠如
➃虐待を助長する組織同士や職員間の関係性の悪さ
➄人員不足や人員配置の問題及び関連する多忙さ

例としてあげたこの5点の要因だけではなく、その他にも様々な事が考えられると思います。

ここで学ぶ事は、まず虐待を防止する為、法人全職員に対してコンプライアンスの遵守を徹底していく事。又支援困難事例に対する支援の専門性を今まで以上に高めていく事も必要だと感じます。そして利用者さんだけではなく職員へのメンタルケアを確実に行っていく事もとても重要だと思います。

研修の中で興味深い内容がありました。それはコンサルテーションの導入です。コンサルテーションとは異なる専門性を持つ複数の者が援助対象である問題状況について検討し、より良い援助の在り方について話し合うプロセスです。私達の視野からはなかなか見る事が出来ない考えや発想を外部から取り入れる事で今までには考えもつかなかった方法で問題を解決出来る可能性もあります。又支援の質としても改善され、虐待防止に大いに繋がる事であると感じました。

又あらゆる虐待のリスクからの“気付き”を積み上げる事もとても大切です。私達は日々利用者さんや職員と過ごす日々の中で様々な事に気付いていると思います。「あれ?今の声掛けって正しかったのかな?」「職員中心の考えになってないかな?」等、小さな気付きが意外にも日々積もっているものだと感じます。しかしその気付きの芽を摘む事こそが虐待防止に繋がるものだと感じます。いわゆる“グレーゾーン”という考え。「どこまでなら虐待にならないか?」「この程度なら大丈夫だろう。」等、まずこの考え方を改める必要性があります。その為には支援者が「グレーゾーンは既に虐待である。」という認識を持つ事が大切であり、チームでの共通認識やいつでも話し合う場を設ける事が重要となります。又記録をしっかり残す事で変化や気付きを忘れる事無く、アセスメントの質が高まり利用者さんの生活の向上にも繋がる事が出来ると思います。

少し長くなってしまいましたが、支援者に求められる能力とは、、、

➀聞く力
➁示す力
➂気付く力

この3点が重要であると感じます。簡単なようで難しい事でもあると思います。しかし私達支援者はこれらの力を日々しっかり養いながら利用者さん達と向き合う義務があります。当法人も今回の研修会で学んだ事や感じた事をしっかりと記録し、より良い環境作りに心掛ける事を肝に銘じます。